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 中学 古文講座 1.竹取物語「今は昔、竹取の翁といふものありけり」

 

 

≪本文≫

 

今は昔、竹取の翁といふものありけり

 

野山にまじりて竹をとりつつ、

 

よろづのことに使ひけり。

 

名をば、さぬきのみやつことなむいひける。

 

 その竹の中に、もと光る竹なむ一筋ありける

 

あやしがりて、寄りて見るに、筒の中光りたり。

 

それを見れば、三寸ばかりなる人、

 

いとうつくしうてたり。

 

 

≪口語訳≫

 

 今となってはもう昔のことだが、竹取の翁と呼ばれている人がい

 

野や山に分け入って、竹を取っては、

 

いろいろなものを作るのに使っていた。

 

名前を、さぬきのみやつこと言った。

 

 (ある日、)その竹林の中に、根本が光る竹が一本あった。

 

不思議に思って、近寄ってみると、筒の中が光っている。

 

それを見ると、(背丈が)三寸くらいの人が、

 

たいへんかわいらしい様子で座っていた。

 

 

<この文章から覚える重要ポイント>

 

赤字 は、意味を覚えて欲しい重要古典単語

青字 は、覚えて欲しい重要古典文法

緑字 は、重要な単語と文法が混ざっているもの

です。   は特に入試でも頻出の重要ポイントとなります。

 

 

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重要古典単語について

 

1)今は昔 … (訳)「今となってはもう昔のことだが・昔々

         昔話を始めるときの決まり文句として良く使われる言葉です。

 

2)けり【助動詞】 … (訳) @ 過去 「〜た」 

                A 詠嘆 「〜だなあ」→短歌・俳句に使われた場合!

              古文では頻繁に使われる助動詞です。ぜひ覚えておきましょう。

              Aの詠嘆(えいたん)の訳し方は、短歌・俳句のお話をする

              機会があったときに詳しくお話します。

 

3)よろづ【名詞】 … (訳) @ 数・種類が多いことを表す。「たくさん・いろいろ

                A @の意味がさらに強調され、「すべてのこと・万事」

 

4)あやし【形容詞】 … (訳) @ 「わけがわからない・不思議だ

                 A 「神秘的だ・超自然的だ」

                 B 「変わっている・普通と違う」

               現代語の「アヤシイ」とはニュアンスが違います。

               不審人物に対して使う「アヤシイ」ではなく、

               今で言えば、科学的に証明できないことに対して「理解できない」

               という意味が強い…という感じで考えてもらえると近いでしょうか。

 

 

5)ばかり【助詞】 … (訳) ものの程度を表して「〜くらい

               今で言う「ゲームばかりして」のような“限定”の意味は、

               竹取物語成立後ぐらいから使われ始めたようです。

               但し、現代語と同じ意味だったらわざわざ入試では出題しません

               から、テストで意味が聞かれたときには「〜くらい」と

               訳した方が正解でしょう。

               

 

6)いと【副詞】 … (訳) 「たいへん・とても

              英語で言う「very」と同じ役割です。

              入試でも頻出の単語の一つとなります。単純に、必ず覚えておいて下さい。

 

7)うつくし【形容詞】 … (訳) 「かわいらしい

                (小さいものや年少者に対して感じる)かわいい、という意味です。

                 うっかり現代語と同じように「美しい」と訳すと、たいてい×。

                 「美しい」という意味もないわけではありませんが、テストで

                 聞かれた場合は「かわいらしい」という訳が一般的です。

今と同じ意味で使われるのは、平安時代後期ごろからと言われています。

                 

 

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重要文法事項について

 

〜歴史的かな遣いを現代かな遣いに直す〜

 

今と昔では、ひらがなの使い方が一部異なっているものがあります

これを現代と同じかな遣いに直す問題が、高校入試レベルの問題では

良く出題されますので、しっかりと覚えておきましょう。

 

 

@ 「」は「」に直す!

   よろ → よろ

 

A 「は・ひ・ふ・へ・ほ」は「わ・い・う・え・お」に直す!

   い(言ふ) → い

   いけり(言ひけり) → いけり

 

B 「」は「」に直す!

   昔の「い」の書き方になります。単純に覚えましょう。

   る → 

 

C 「発音“iu”」は「“yuu”」に直す!

   うつくしうて → うつくしゅう

  (うつくsiuて)  (うつくsyuuて)

 

 

これらは、テストで出題されたときには点を稼ぐ問題です!

しっかり覚えておきましょうね!

 

 

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重要 係り結びの法則

 

  「係り結びの法則」とは、文中にある決まった言葉(係助詞といいます)が

  あったとき、文末が終止形ではなくて連体形もしくは已然形になるという

  法則のことを言います。

  (普通、文末は「。」が付いて終止形になりますよね?)

 

(例) 名をば、さぬきのみやつことなむいひける。              

                 「なむ」があるため、文末が連体形になっています。

                                         

 (本当だったら…) 名をば、さぬきのみやつこといひけり。           

                          終止形            

 

 

 これは、古典文法の中でもとても重要なものです。必ず覚えておきましょう!

 

 

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それでは、ここまでの内容のまとめです。

 

 

<竹取物語 序文から 〜今は昔、竹取の翁といふものありけり〜>

 

1)重要古典単語について

  古文の意味をおさえる上でも、しっかりと覚えておきましょう。

単語

口語訳

備考

今は昔

今となってはもう昔のことだが

 

けり【助動詞】

@ 過去 「〜た」

A 詠嘆 「〜だなあ」

@ については(注)参照。

A は、短歌・俳句の場合。

よろづ

@ たくさん・いろいろ

A すべてのこと・万事

 

あやし

@ わけがわからない・不思議だ

A 神秘的だ・超自然的だ

B 変わっている・普通と違う

「怪しい」という意味では

ほとんど出題されません。

注意!

ばかり

〜くらい

 

いと

たいへん・とても

 

うつくし

かわいらしい

 

 

  ※(注)過去の助動詞「けり」について

   この後に出てくる“係り結びの法則”を理解するために、

   「けり」の活用を眺めておいて下さい。

基本形

未然形

連用形

終止形

連体形

已然形

命令形

けり

(けら)

けり

ける

けれ

                  ※係り結びの法則で重要なのは、「終止形」「連体形」

                   「已然形(いぜんけい)」の3つ!

                   「已然形」は、現代文法の「仮定形」のことです!

 

 

2)重要古典文法について

 

 ・歴史的かな遣いについて

   今回は、次の3点を覚えましょう!

 

@ 「」は「」に直す

    (例)よろ → よろ

       み  → み

 

A 「は・ひ・ふ・へ・ほ」は「わ・い・う・え・お」に直す

    (例)い(言ふ) → い

       か(顔)  → か

 

B 「」は「」に直す

    (例)る → 

 

 

C 「iu」は「yuu」に直す

    (例)うつくしうて → うつくしゅう

       (うつくsiuて →  うつくsyuuて)

 

 

 係り結びの法則について

係り結びの法則とは、文中にある決まった言葉(=係助詞)が

あったとき、文末が終止形ではなく、連体形もしくは已然形に

なる法則のこと。

 

  まずは、単純に「係り結びの法則」という言葉を覚えてください。

  係り結びを作る係助詞と文末の関係は次の通りです。

 

係助詞

文末

なむ

連体形

こそ

已然形

 

   (例)さぬきのみやつことなむいひける

                       連体形

 

    本当だったら、「さぬきのみやつこといひけり。」となるはずなのですが、

    係助詞“なむ”があるため、文末の“けり”が連体形“ける”になっています。

    “けり”の活用形については、上を参照してください。

 

 

 

 

 

わかりましたか? 大事な部分はしっかりと覚えるようにしてください。

 

 

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